道具の選び方
道具は目的と環境から選びます。
目的として「何を作りたいか」で選びます。
作る物の大きさによっても選ぶ道具は変わります。
鍛金をすると言っても作りたい物は様々ですから、
当て金も自分の目的に合った道具を選びましょう。
環境も様々ですから、環境からも考えます。
木台を使うのが一般的ですが、木台の無い方は万力型を選ぶとか、万力も無い場合は卓上型を選びます。
ソケット式当て金「RT」ギア式当て金「RTG」は少しの道具を多様に機能させることに特化した道具です。
これらは互換性があり、併用も有効です。組み合わせを活用してください。
道具を選ぶ場合、各紹介頁の「特徴」をお読みいただければと思いますが、
実物を手に取って見ていただくのが確実ですので、当工房でご覧いただければと思います。
試用も可能ですし、使用状況もご覧いただけますので是非お越しください。
(ご来房の前にお知らせください)
従来の当て金
「RT・RTG」は当て金の機能をほぼ実現できますが、従来の当て金ももちろん有効です。
入手できる方は併用されると良いでしょう。
また、従来の当て金は改造して「RT・RTG」用の多機能な当て面部品にすることが出来ます。
サイズについて
鍛金は打撃を繰り返す作業なので大きくて重いほど安定して出来ます。
しかし、小さな物を作るには小さい方が便利なこともありますし、
小さな物の当て面部品は小さくないと出来ない物もあります。
ソケット式当て金「RT」には「RT24」と「RT16」があります。
(24と16はソケット穴の直径寸法を表しています。当て面部品の場合はピン(丸軸)の直径寸法です。)
ギア式当て金「RTG」はこれらの中間的なサイズです。
なお、試作品にはもっと小型や大型もあります。「カタログ」に「試作品」のページを設ける予定です。
(種類や寸法などの説明はカタログにあります)
基本型:基本となる最も有効な支持体です。
左:「RTG」基本型
(長さ:30cm 重さ:1.7kg)
中央:「RT24」基本型
(長さ:35cm 重さ:3.3kg)
右:「RT16」基本型
(長さ:32cm 重さ:1.4kg)
ぶったて型:絞り作業の初期のように打撃の力を最も有効にする縦型です。
左:「RTG」ぶったて型
(長さ:23cm 重さ:0.8kg)
中央:「RT24」ぶったて型
(長さ:25cm 重さ:1.5kg)
右:「RT16」ぶったて型
(長さ:24cm 重さ:0.9kg)
万力型:万力で鍛金を出来る支持体です。
左:「RTG」万力型
(長さ:11cm 重さ:0.3kg)
中央:「RT24」万力型
(長さ:11.5cm 重さ:0.6kg)
右:「RT16」万力型
(長さ:11cm 重さ:0.3kg)
当て面部品のサイズについてはページ下方の「4、当て面部品の比較」に概要を表記しましたが、
「RT」には「RT24」用と「RT16」用があります。
24と16はピン(丸軸)の直径寸法を表しています。
「RTG」も当て面部はほぼ同様です。
(種類や寸法などの説明はカタログにあります)
支持体の比較
(ソケット式とギア式の構造面からの比較です)
「RT16」と「RT24」については前述のように大きさの違いです。
「RT」の機能の基本となるソケットの穴の径が∅16と∅24ということです。
「RT16」の方が小さくて手軽な作業用です。
「RT24」は重作業も出来るように強度を主にしています。
(大型の支持体の試作品もあり、受注製作可能です)
「RT24」支持体の据え付け例:
右は「基本型」の縦挿し使用例
中央の直立させたのが「ぶったて型」
左は「基本型」の横挿し使用例
(この例では「延長用」で「常用当て面」をオフセット使用)
「RTG」支持体の据え付け例:
左から卓上台に万力型、ぶったて型、基本型に延長用。
(据え付けた当て面部品は左から常用当て面部品のC型・A型・B型)
「RTG」は中間的なサイズです。
強度については、構造から「RT24」の方が強いはずですが、試みにこのギア接続構造の当て金「RTG」で種々のかなり激しい絞り作業を続けてみましたが、問題無く使えることを確認し、発表にいたりました。
「RT」と「RTG」は互換性がありますから、どちらを主にしても可能です。
多機能を展開する
RTの「基本型とギア式延長用」にRTGの「延長用」を組んだ例。
支持角度を変えていくことで多様な状態に出来るので、このきのこ形当て面部品のみで、この器の成形が出来ます。
「RT24」の「基本型」は重さも強度もあり、安定しています。
ある程度様々な形を作ろうとする場合、「RT24」をベースにされることをお勧めします。
「基本型」に「ギア式延長用」を加えることで、かなりの場面に対応できます。
さらに「RTG」の「延長用」を加えれば機能拡張できます。
また、「ギア式ソケット」を加えれば更に機能拡張できます。
当然ながら双方の機能を活用できる方法です。
支持体の構成を多様に出来ますので、一つの当て面部品が様々な位置で活きる方法です。
「RTG」の場合は「延長用」を「基本型」に組み合わせることで可能です。
当て面部品の比較
(ソケット式とギア式の構造面からの比較です)
「RT」には「RT24」用と「RT16」用があります。
24と16はピン(丸軸)の直径寸法を表しています。
「RTG」の当て面部は中間的ですが、形状はほぼ同様です。
「RT」は身近な材料や部品を当て面部品として使えることが利点の一つです。
市販のS45C磨き丸棒をピン(丸軸)として、種々の当て面部品を作ることが出来ますので、
自分で当て面部品を作る人は「RT」のほうが向いているでしょう。
「RTG」の場合も独自の当て面部品も作れますが、専用のギアなので溶接用ギア部品が必要です。
「RT」では画像のように当て面部品にピンが付いていて、ソケットに挿し込む方法ですから、交換着脱は速くできますし、ピンの回転方向の任意の位置で据え付けられます。
また、ピンの材料の鋼丸棒だけでも当て面部品として活用できます。
その端部を目的の形に削るなどすれば、それだけで当て金として機能します。その丸軸に鋼片などを加えれば、機能は拡大します。
(丸軸はS45Cの磨き丸棒がおすすめです)
ある程度自分で当て面部品を作れる方には有利です。
「RTG」の場合は画像のように当て面部品にギア部が付いていて、角度を選んで固定する方法です。
着脱交換は固定ボルトを抜いて行いますから「RT」より手間はかかりますが、前後方向の角度を変更する場合はボルトを緩めるだけで可能です。
前後方向の角度を変える方法の比較
「RT」で当て面の前後方向の角度を変えるためには当て面の位置を変えた部品を多種類作っています。
(現在は次の「RTG」の方法を主としていますが、小さな物の成形ではそのための専用の部品をこれに類する形で作ります)
「RTG」の場合は当て面部品を多方向に据え付け可能であり、一つの当て面部品が多様に働きます。
ソケットの前後方向の角度を変える方法の場合
ソケットの前後方向の角度を変えるために、
ソケットの角度を変えた部品を多種類作っていました。
現在は「ギア式ソケット」を使うことで解決しています。
「ギア式ソケット」は「RT24」用と「RT16」用の2サイズがあります。
据え付けの比較
(ソケット部とギア部の形状からの比較です)
選ぶ場合、どの要素を優先するかということですが、双方に互換性があります。
もちろん両方を使えばより快適な状況を作れます。
自分に合った方法を選ぶことで良いでしょう。
「RT」はソケット部が嵩ばりますが、着脱交換は速く出来ます。
「RTG」は着脱交換が手間ですが、そのままで前後方向の角度を変えられる構造であり、部品もシンプルで「RT」よりもコンパクトになります。
ギア接続でのRTとRTGの組み方の比較(共に「きのこ形基本当て面部品」を据え付けた状態です)
縦向きの据え付け状態:
RT(左)の場合は少しオフセットが出来ることと、当て面部品の軸の回転方向の角度も選べます。
RTG(右)の場合はソケット部が無いので、細い物にも向いています。コップのような細い器の底打ち作業にも向いています。
横向きの据え付け状態:
RT(上)の場合は当て面部品の軸の回転方向の角度も選べます。
RTG(下)の場合はソケット部が無いので、狭い形状の細い物の成形にも向いています。
斜め向きの据え付け状態:
RT(右)の場合は当て面部品の軸の回転方向の角度も選べます。
RTG(左)の場合はソケット部が無いので、狭い形状の細い物の成形にも向いています。
おすすめの選抜
当工房では様々な物を作ってきました。
その中で必要もあって開発した道具が「RT」であり、それが「RTG」の開発へと展開してきました。
多種類を考案しましたので選択を迷うほどの種類となりました。
もちろん必要な物だけを選抜するべきですが、
セットを示して欲しいというご要望もいただきます。
道具は目的によって変わりますので、何を作りたいのかをお尋ねしてから選抜いたします。
ご遠慮なくお申し付けください。
「RT基本型」と「ギア式延長用」をベースにする
作る物が多様なので先ず基本的な物から始めたいという方は、
「RT基本型」と「ギア式延長用」をベースにして始めることをおすすめします。
「RT基本型」は安定性が高いですから、様々な展開のベースとして有利です。
「ギア式延長用」で「RTG」の部品も使えますし、「ギア式ソケット」を備えれば「RT」と「RTG」の両方の機能を使えますから「RT」の部品の機能も拡張できます。
なお、「RTG」は「RT24」より華奢ですが、利便性と手軽さのある当て金ですので楽しむのに良いと思います。
選ぶ場合、どの要素を優先するかということですが、双方に互換性があります。
もちろん両方を使えばより快適な状況を作れます。
自分に合った方法を選ぶことで良いでしょう。
以上の説明は概要だけですので、「紹介」の頁の特徴などをお読みいただければと思います。
(種類や寸法などの説明はカタログにあります)
選抜は迷うものです。ご遠慮なくお問い合わせください。