RTGの紹介

(ギア式による構成の当て金なので名称を「RTG」としました。)

RTGの紹介

「RTG」は「角度可変式」のギア接続の方法だけで当て金の構成を可能とした新しい道具です。
「RT」と同様に、「基本型」「ぶったて型」「万力型」「延長用」を揃えました。
「RTG」のメリットは当て面部品だけでなく支持体の角度も変えられるので極めて多様な組み方が出来ます。
「RT」と互換性があり、併用すればさらに多機能となります。

「RT」は当て面部品の軸の回転方向の任意の角度に変えて据え付けられますが、前後方向の角度も可変にするため、ギア接続の構造を開発しました。それが「ギア式延長用」と「ギア式ソケット」ですが、
その後、ソケットを使わずギア部に直接据え付ける当て面部品を開発しました。
さらに、そのギア接続の構造を支持体にも応用して「RTG」が生まれました。

「RTG」は当て面部品だけでなく、支持体の角度や構成も多様に可能です。
これにより、格段の自由度を得ることができました。
ギアは「RT」の「角度可変式」と共通であり、互換性を持たせた姉妹工具です。
組み合わせることで、さらに多様な構成も可能となりました。

ギア式当て金「RTG」の組み方例
この写真は「基本当て面部品のきのこ形」「延長用」「基本型」
という3種で、球状器を成形する組み合わせです。
この組み方は器の口の周辺を成形する時の状態ですが、ジョイント部分の角度を選ぶことで、このような球状形の全ての部分を当てることが出来ます。
また、この組み合わせだけで多様な形状の成形が可能です。

RTGの特徴

このギア式にしたことで生まれた利点は次のような例です。

① 当て面部品と支持体の前後方向の角度を選べることが特徴です。組み合わせることによって、多様な状態を作ることが出来ます。

② 「RT」と同様に一つの当て面部品を様々な支持体に使えること、また、一つの支持体で様々な当て面部品を使えることで様々な当て金の状態を可能にします。

③ 「基本型」に「延長用」を加えることで従来の「への字床」と呼ばれる当て金のオフセットの機能もします。また、その組み角度を選べますから多様な支持状態を作れます。
④ 「RTG」の接続はギア式であり「RT」よりコンパクトなため、使いやすいことが多いです。

⑤ 「ギア式ソケット」を使えば「RT」の機能も活用できます。
多様な「RT」の当て面部品を使えるのはもちろん、360度の任意な方向にセットするなど「RT」の機能を活用できます。

⑥ 「RT」と同じように機能部品側に木や鉛、松脂台など異素材をセットできます。
部分的松脂台による成形など、当て金とは別の働きをします。
これはとても有効で、大型作品の松脂作業も目的の部分だけを当てて作業できます。

⑦ 「RT」と同じように既存の当て金も無駄にはなりません。
分断して「溶接用」部品を付けることで、全ての部分が多数の新しい機能部品に生まれ変わります。

⑧ それまで当て金を作るということはかなりたいへんな作業でしたが、「RT」と同じように機能部品だけを作るか変更すれば良いことになり負担は減少しました。 手入れをする場合も機能部品だけを扱いますから負担は減少しました。
また、当て面部品はそれ自体が手持ち使用の当て盤としても有効です。

⑨ 機能部品は小さいため、収納はキャビネットに整然と並べられ、管理も容易となりました。

支持体も部品も強靭なダクタイル鋳鉄で作ってあります。
このRTGもクロダイト工業株式会社によって実現しました。
絶大な協力を頂き、ダクタイル鋳鉄の信頼できる道具として生まれました。

RTGの支持体

支持体も部品もギアによる接続で、組み角度を選ぶことができます。
それにより、多様な構成が可能です。
この頁ではその支持体を紹介します。

支持体:左から「基本型」「ぶったて型」「延長用」「万力型」

ギア式ソケット:「RT」の豊富な当て面部品を「RTG」で活用できるアダプター

支持体の据え付け例:左から卓上型、ぶったて型、基本型に延長用。
(据え付けた当て面部品は左から常用当て面部品のC型・A型・B型)

支持支持体の据え付け例:左から基本型、卓上型に延長用、ぶったて型、。
(据え付けた当て面部品は左から常用当て面部品のA型・C型・基本当て面ボール形)

支持角度の変更例:支持体角度を変えることで当て面部品をオフセットさせる例。
(さらに、選んだ位置で当て面部品自体の傾きを変えることも可能です。「当て面部品」の説明にあります。)

万力型の据え付け例
「RT」の万力型のような方向性はなく、
任意の位置で滑り止め(下側の小さな凸部)を効かせば安定して使えます。角度はギアで選べます。

RTG「万力型」(下側の小さな凸部が滑り止め)

卓上型:卓上台に万力型を組んだ支持体で作業机でも可能な手軽な方法です。
(写真は延長用と基本当て面を組んだ例)

「卓上台」(RTと共通です)

RTGの当て面部品

「RT」の当て面部品のピン(丸軸)がギアに変わった物です。
そのギアによって前後方向の角度を変えられます。

当て面部品の角度変更例:ボール形の例です。
(部品によっては左右端の90度を超える据え付けの場合は当たる部分が有り、削り加工を必要とします)

基本当て面部品
従来の当て金の「坊主床」はとにかく便利な道具です。それ一つでかなりの物が作れます。
そのシンプルな当て面の機能を持たせて基本当て面としています。
ボール形は丸みが強すぎることもありますが、どの方向から当てても同じ効果を得ることができます。変形物の成形にはとても便利な当て面で、当工房では頻繁に活用しています。
これらの当て面を任意の位置に据え付けることができますから、とても有効です。

常用当て面部品
主に絞り・均しに使用する他、角度を変えて前後の側面を使うことも出来ます。
基本当て面部品だけでかなりのことができますが、器の内側を滑らかにしたい時などは、その形状に合った当て面を必要とします。

様々な形状の当て面部品
鋼片などを溶接用ギア部品に付けることで当て面部品が作れます。
いくつかを試作品販売カタログに掲載していますが、
ご希望の形に製作いたしますので、お問い合わせください。

加工用部材(未削り品)
「当て面部品」の「未削り品」の画像です。
バリやコブのある鋳肌状態で、穴加工のみしてあります。
任意の形状にしたい方はこれらから削ることが有効です。

これらの部品は主な物の抜粋です。詳細は「カタログ」をご覧ください。